コーヒーは健康にいい?悪い?賛否両論検証。

健康にいいだの、悪いだの多くの活発な議論があるコーヒー。私はこういう歴史のある飲み継がれてきたものに関しては、先人たちの知恵というものを尊敬してか肯定的な立場ですが、たまにありますよね。研究が進んで、先人たちの知恵が間違っていたというものも。一般的に、なんでも行き過ぎれば体には悪いし、持病持ちや妊娠など特殊なケースでは禁忌のものもあります。それをすべて網羅するのは不可能ですが、一般の人に与える影響を中心にその賛否両論を調べてみました。

まあ嗜好品なので、健康にいい悪いがすべてではないと思いますけどね。

コーヒーと親密な関係にあるカフェイン

コーヒーを語るときに切っても切り離せないのがカフェイン。もはやコーヒーは健康にいいのか悪いのかを論じるとき、カフェインは健康にいいのか悪いのかに置き換えられそうなくらいの親密性です。そうすると、この記事のタイトルもコーヒーではなくカフェインとするほうがよさそうです。なのでカフェインはカフェインのみで賛否両論を調べたほうがよさそうです。何故ならカフェインは他のドリンクでも結構摂取できますよね?

ただ、このコーヒーにおけるテーマでいえることはカフェインは概ね適量の範囲内であれば、健康にポジティブな効果が望めそうであるということです。

コーヒーのカフェイン以外の成分による効果

カフェイン以外の効果はどうでしょう?調べていくと結局カフェインとの相乗効果などもあって、単体でやはりいい悪いという判断はつきにくそうです。

クロロゲン酸による効果

米コーネル大学のChang Y. Lee教授によれば、コーヒーの摂取で緑内障や加齢、糖尿病による視力の低下や、失明を予防できる可能性があるという。加工されていないコーヒーには、クロロゲン酸という抗酸化物質が含まれており、これが寄与するとのこと

出典【コーヒー最強】その成分が目を守り視力低下や失明を防ぐ:米マウス実験 – IRORIO(イロリオ)

クロロゲン酸は緑茶のカテキンや赤ワインのアントシアニンなどと同じポリフェノール(植物が作る抗酸化物質)の一種です。
コーヒー豆の中に5.0~10.0%ほど含まれており、カフェインより含有量が多いとされ、体内の活性酵素と闘ってくれます。そのため、コーヒー愛飲者はパーキンソン病や2型糖尿病、心臓病といった病気になるリスクが低いという論文が出ています。クロロゲン酸は、深煎りするほど減少してしまうという研究があるので、これを気にする方は浅めに入れるのがいいのではないかと思われます。
このクロロゲン酸は、逆に摂取しすぎると脂肪をため込む性質を持っているということです。これが所謂コーヒー太りの原因なのだとか。クロロゲン酸の観点からは摂取量は1日3~4杯が限度とのことです。

神戸大学・市橋名誉教授らの実験では、コーヒー豆のポリフェノール「クロロゲン酸」などがメラニンを作らせない働きを持っていて、シミを予防する効果があるとわかりました。

出典:コーヒーがもたらすの嬉しい効果 血行の改善、痛みの緩和など – Peachy – ライブドアニュース

シミ予防の効果もあるかもしれません。
逆に悪い点として鉄分と結合しやすいので、鉄分の吸収が妨げられる恐れがあります。貧血の人は要注意です。

 タンニンによる効果

タンニンはコーヒーではクロロゲン酸であるという話もありますが、よく言われるので記載しておきます。効果はクロロゲン酸同様に鉄分の結合に注意です。

 

コーヒーに関する賛否両論

肯定派【コーヒーは健康にいい】の理論

前述したとおり、コーヒーの効能にはポジティブな要素がいくつも論じられています。いくつも記事があるので詳しくは触れませんが以下が代表的です。

  • エイジングケア効果(カフェイン、クロロゲン酸)
  • ダイエット効果(カフェイン)
  • 鬱病リスク軽減()
  • 多発性硬化症予防(カフェイン)
  • 心臓病予防(カフェイン)
  • 肝臓がんリスク減少(カフェイン)
  • 子宮体ガンリスク減少(カフェイン)
  • 大腸がん再発リスク減少(カフェイン)…判明しているのは女性のみという説あり
  • 便通改善(カフェイン)
  • その他自殺率低下など多数

否定派【コーヒーは健康に悪い】の理論

「コーヒー 健康 悪い」などと検索しても、従来の懸念事項は殆どなく実は健康によいのだという記事が殆どです。

コーヒーの飲み過ぎは、膀胱がんの発生確率を高めるといった記載もありますが、そもそも過剰摂取は何にでも大抵害あるものとの認識あれば大したことではありません。注目すべき点として挙げられているのは以下の3点。

  • クロロゲン酸が鉄分と結合しやすいので、鉄分の吸収が妨げられる恐れがある➡貧血者にはおすすめできない
  • カフェインを多く含む食品となるのでカフェインの影響がほぼ同義にて影響する➡胃酸を過剰分泌させることから空腹時の摂取は胃を荒れさせる原因となる。
  • LDL(悪玉)コレステロール値をあげるカフェストールと呼ばれる物質が含まれている➡微量なので影響ないという声もありますが濾過方式のペーパーフィルターなどの使用であればさらに安心

考察

総合的に考えると、コーヒーは通常一般の状態の人(妊婦やその他持病リスクを抱える人以外)にとってはヘルシーな飲料と言えると思います。殆どカフェインをどう捉えるかの議論ですね。

 

コーヒーにまつわるカフェインについて

カフェイン含有量はコーヒーより紅茶・緑茶のほうが多い?

カフェインの含有量はコーヒーより紅茶の方が多いという話がありますが、これは正確ではありません。

コーヒー豆と茶葉100g中に含まれるカフェイン量は、コーヒー豆1.5パーセントに対し、紅茶葉は2.5パーセントとコーヒーのカフェイン含有量を上回ります。問題は、一杯あたりに使用する各素材の量です。コーヒー一杯を淹れるのに使う豆は、約10g。紅茶は約2g~4gです。
計算すればわかりますが、飲料としての一杯を比較するとカフェイン含有率はコーヒーの方が高くなります。

更に紅茶・緑茶はそこに含まれるカテキン成分がカフェインと結合した状態で吸収されるので、カフェインの作用が緩やかに進みコーヒーより胃にやさしいと言われています。

参考:カフェインの摂取許容量

成人の方が健康を維持するために望ましいとされるカフェインの摂取量は、1日400mg未満で1回の摂取量は200mgを超えないようにするのが良い。

出典:EFSA欧州食品安全機関

コーヒーに含まれるカフェインの量は、「100mlあたり約40mg」です。そのため、通常のコーヒーでは”1日に4杯~5杯程度”が適当な摂取量とされています。

エスプレッソのカフェインはドリップコーヒーより少ない?コーヒー抽出方法によるカフェインの含有量の違い

カフェインは、抽出時間が短い方が含有量が少なくなると言われています。

エスプレッソコーヒーは20秒ほどの短時間でコーヒーを抽出します。ドリップコーヒーは3分程度の時間をかけて抽出するため、ドリップコーヒーとエスプレッソコーヒーとのカフェインの含有量を比べると、ドリップコーヒーの方がカフェインの含有量は多いことが通常です。もちろん、エスプレッソコーヒーはその容量の少なさも一因です。

カフェインレス・ディカフェ

ノンカフェイン」や「カフェインゼロ」は、元々カフェインが全く含まれていないこと。
カフェインレス」や「ローカフェイン」は、カフェインが少し含まれているもの。
デカフェ(ディカフェ)」は、元々カフェインが含まれているものから、カフェインを抜いたもの

出展:ノンカフェインおすすめガイド

 

結論

総合的に考えると、コーヒーはヘルシーな飲料と言えると思います。私はそもそも嗜好品として愛飲しているので多少悪い結果だろうと飲みますがね。

  • 許容量を守れば、議論が活発な段階ながらもガン予防や認知症予防など多岐にわたる効果を得られる説が多い。
  • 許容量はカフェインよりもクロロゲン酸の影響で1日3~4杯にとどめるべき。
  • クロロゲン酸・タンニンの影響から貧血者は控えることが望ましい。
  • 妊婦は流産の危険性などから控えるべきだが、1日1杯程度のカフェイン量であれば問題ないとされている。
  • コーヒーより緑茶や紅茶のカフェイン量が多いということは無い。
  • エスプレッソの方がドリップコーヒーよりカフェインは少ない。

 

ABOUTこの記事をかいた人

食に関して強い興味を持ち、世間に流布する賛否両論を必ず吟味して決定する慎重派です。
必ず一方のみを鵜呑みにすることなく総合的に判断するのでその調査と意思決定に至る理由を参考までに共有していきたいと思います。
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