中古マンション取得によるリノベーション、その是非とは?

個人的な意見では、余程裕福な家庭ではない限りもはや家は購入するものではないと思っています。特に新築は。しかしながら、購入派の意見も一理あり私も可能であれば購入したいと思っていたりもしています。その方法としては「中古を買ってリノベーションする」の一択に絞られます。その理由を記しておきます。

リノベーションは他人任せにしない

最近、俄かに人気を博してきている「リフォーム又はリノベーションされた中古物件を買う」とはまた異なる形態です。「リフォーム又はリノベーションされた中古物件を買う」との大きな違いは文字通り他人がするか自分がするかです。そもそも、リフォーム又はリノベーションをすることの意義とは「自分の思い通りの間取りや設備を入れること」であるので、それを実現できない他人任せにするのはあまり意味のあることだとは思いません。

[自分の思い通りにする]=[自分である程度責任をもって行う]というこの世の常です。

リノベーションのメリットとは

「リフォーム又はリノベーションされた中古物件を買う」ことのメリットはいくつかあります。以下に挙げますが仕事では新築住宅を売っている不動産や建築に携わるプロでも、自分の家は実は「中古を買ってリノベーションした」という人は相当いるみたいです。

中古物件購入のメリットが活きる

一般的に、中古住宅は新築よりも値段が安いだけでなく、資産価値の下落幅が小さいので経済的に賢い買い物と言われています。平均的な新築住宅は入居後すぐに10〜15%程度値落ちして、築20年に達する頃には、分譲マンションなら通常半値程度まで資産価値が下落します。仮に築20年の中古住宅を買って20年後に売却した時に建物評価額が完全にゼロになったとしても、新築を買って20年後に売却するのとは比べようもないほど資産価値のロスは僅かなものに留まる。もちろん都心の駅近一等地であればリセールバリュー100%を超えて、住んだ家賃分の換算がタダもしくはプラスで返ってくることもあるみたいですが、取得に相当の金額が必要であり一般家庭には手が出ません。

間取りを変更することが可能

これはリノベーションの醍醐味とも言えるのではないでしょうか。一般的なマンションの間取りは田の字プランだと思います。これはこれで、合理的であり問題が少ないから普及しているとも言われますし、水回りが中央部に位置するので騒音問題などが出にくい間取りなのでメリットではあると思うのですが、面白みに欠ける嫌いがあります。ここをどう捉えるかですが、あまりにも奇抜な間取りにしてしまうと売却時に苦労するでしょうし、終の棲家であれば自由にできる楽しみがあるとも言えます。

私個人としては奇抜であるとは言えませんが、とにかく睡眠時以外に最も滞在時間が長いLDKを重視し、かつK(キッチン)の広さ・快適さを重視していますので通常LDKの隣にある和室や洋室をブチ抜いて25畳程度のLDKにできるリノベーションは非常に魅力的に映ります。

もちろん建物の構造上、間取りを変更できない工法もありますので注意が必要です。

設備を最新にしたり拘りのアイテムにすることが出来る

設備が最新ということを、住宅事情に明るくない人は一般的な価格帯の分譲新築マンションのグレード設備だと思いがちです。床暖房・自動湯沸かし・食器洗い乾燥機・コンロ・ストッカー・流しシンク・ディスポーザー等々…。もちろん、賃貸物件に比べればそれは圧倒的に優れたものでしょう。デヴェロッパーは販売戸数の規模で量産型の設備を入れてコストカットをしますので、グレードは実はそこまで高いものではありません。

このようなグレードの高い設備は高級マンションなどには付帯されたり、オプションでは一部選択が可能だったりしますが一つ一つは割高であると言えます。また設備によっては人により全くいらないものも含まれており、その分総額が上乗せされるのはあまり好ましいことではありません。

この点リノベーションであれば、その選択肢はぐっと広がります。お金をかけたい部分に投下できます。私の場合はシステムキッチンのグレードを最高級にまで高めます。その分ほかの共住空間は十数年前の仕様でもいいと思っているのです。(=いわゆる、中古マンション購入時のまま)

リノベーションのデメリットとは

いいこと尽くしの中古リノベーションですが、当然リスクやデメリットもゼロではありません。

自分の思い通りにできる物件を探さなくてはならない

まあ、当然ですが前述したとおり間取りまで変えるのであれば物理的可否と規約で禁止されていないかを調べる必要があります。

中古物件のデメリットが影響する

耐震性などの安全面で劣る

これはメリットの部分の裏返しです。古い物件を買うからには、新築よりも耐震性のリスクをとることになります。よく言われるのが建築基準法の改定(1981年6月)による新耐震基準前の物件は不安があるというものです。2016年現在で換算すれば築35年以上のマンションは不安ということになります。ここで気を付けなければならないのはマンションの建設工事は、建築確認申請をしたあとに数年かけて行うので実際には、新耐震基準が適用されているのは1983年以降に竣工した物件に多いという事実です。そこから換算して余裕を見ると築30年以上はパスしたほうが良さそうです。

新耐震基準でも管理状態が悪く、定期的な大規模修繕をしていない物件も中にはあるとのことなのでこのあたりは要確認となります。

実は中古自体がそれほど安いというわけでもない

中古でも一等地であれば、新築時を上回る取引がされている世の中なのである程度の支出は認めざるを得ません。

築20年+自分の住む年数が売却時の築年数

新築購入程ではないとしても、相当多額の費用となりますので通常は10年以上住むことを想定されると思います。当たり前ですが中古で購入して売却を考えるとすると築35年以上になるということは理解しておく必要があります。

修繕積立金が高額になる

経年が多いほど、一般的には高くなります。

金額はそれほど低くは収まらない

中古で安いといっても、リノベ費用がかかるので、結局抑えて新築の8割から9割はかかると思ったほうがいいでしょう。まあ9割までいっちゃうとメリットが大分薄れてきちゃいますが。手間暇は最も楽な新築と比べ、中古取得+リノベという作業なので当然かかります。

売却については大抵の場合プラスにはならずマイナスの可能性さえある

売却を考える場合には、なるべく万人受けする必要があります。その点、自分の好みにカスタマイズすればするほど一般的とはかけ離れていきます。特に間取りをイレギュラーにすると設備は良くなっても、他人には暮らしにくいと判断されてしまうでしょう。しかし、カスタマイズがリノベーションの醍醐味でもあるので売り抜けやすさをどこまで求めるかは判断と覚悟が必要です。

私であれば多少拘りがある人向けにはなるが、そのポイントを最大限重視したリノベーションを実施して売却時にもそのメリットを求めるターゲットに訴求できるように汎用性も少し考慮すると思います。

 結論:中古マンション取得+リノベーションは住宅購入の選択肢としては最も理想的

 結論ですが、住宅購入をするのであれば私は新築マンションよりこちらを選びます。個人的意見ではありますが、画一的な新築マンションでは私の住環境に関する満足度を最大限満たせません。満たすほどのマンションを購入する資産もありません。拘りはLDKそして特にK部分なので、それをコアに充実させたいと思います。このような新築マンションは殆どなく、あってもロケーションが好みと会う確率は皆無でしょう。人生を豊かにするための住宅購入ならばやはりリノベーションしかないかと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

食に関して強い興味を持ち、世間に流布する賛否両論を必ず吟味して決定する慎重派です。
必ず一方のみを鵜呑みにすることなく総合的に判断するのでその調査と意思決定に至る理由を参考までに共有していきたいと思います。
詳しいプロフィールはこちら
follow us in feedly